馬籠宿
二人は覚悟を決めて登り出す。
しかし登り出してすぐに絶景が現れる。
「馬籠宿」
馬籠宿は中山道四十三番目の宿場とのこと。
これは明るい時にぜひまた見てみたい。
ここを抜けるとついに辿り着いたことの
ない県名の標識が現れた。
ついに長野県に侵入した。これは自走では
ケンユー史上初の都道府県。嬉しい。
この先であるが本来は、このコース
最大の峠「大平峠」(獲得標高1350m)が
待ち構えているとこなのだが、
先日の大雨で土砂崩れで通行止めとのこと。
スタッフが復旧した迂回路を教えてくれて
二人はそちらを走ることになる。
ブルベって、1週間前は走れても当日に
走れなくなることがある。ナビがあるから
安心というわけではない。この辺りの
機転や判断が問われる。こういうときの
いとちゃんは頼もしすぎる。ケンユーは
いとちゃんが考えてる間にみんなが
くれたインスタの応援コメントに
返事を書いてニヤニヤしてる(一回◯ね!)
ここが大平峠の入り口である。
ここを進むと木曽路に辿り着いた。
久しぶりに現代の建造物に出会う。
この時、時間は0時を回っていた。
朝7時から17時間以上走り続けている。
しかしこの辺に寝れるような場所はなく
また寝れるような時間的余裕もない。
登り倒した山を長野県側に降りていく。
昼間、あれほど暑いと言っていたが
今はすこぶる寒い。気温は7℃であった。
ケンユーはウインドブレーカーを着て
指あり手袋はめて、雨降ってないのに
カッパを着てもそれでも寒い。
こんなとき、温かい飲み物を持参できたらと
強く思った。しかしこれからの季節は
むしろ保冷ボトルこそ必要不可欠である。
いとちゃんが使ってるという両方に
対応できるボトルを帰宅後すぐに購入した。
降りきったら後、暗くてよく分からないが
どうやらりんご畑を走り抜けている。
しかしここでやつがやってきた。睡魔だ。
このリンゴは毒入りだった。寒くて眠い。
見事にペースは落ちる。しかしなまじ
進むから始末が悪い。本当なら一度、
止まってでも目を覚ますべきである。
トロトロ進むのが一番効率が悪い。
しかし眠いから判断力も弱い。
ダラダラとペース上がらないまま
朝焼けを迎えてしまう。
すでに時間的ない貯金は底をついていた。
この先、疲れ果てた二人はペースを
あげないと認定できない状況に陥っていた。
〜つづく〜