crossorigin="anonymous"> ブルベ600km 海の幸 山の幸⑧ - ケンユーのロードバイク日記

ロードバイク

ブルベ600km 海の幸 山の幸⑧

うだつ

ひるがの高原からは下り基調。これを利用

して時間的に挽回しなくてはいけない。

なんせ残り150kmを7時間で

ゴールしなくてはいけない。

普段のビワイチでいうと間に合わない。

少し急ぎ気味で回す。ここまで走って

時間切れは切なすぎる。

しかしあと一つ最後のチェックポイントが

残っている。岐阜県美濃市にある

「うだつの街並み」をpicに納めること。

ここまで読んでいる数少ない読者は

うだつが何がご存知だろうか?

ケンユーは見事に知らなかった。

「うだつが上がらない」と言うフレーズは

ここから始まったらしい。

家と家の間にある上に突き出た部分が

「うだつ」である。ここももっとじっくり

観光したいがいかんせん時間に余裕がない。

他の参加者も急いでる。当然だ。ここまで

走って認定が要らない参加者など皆無だ。

残り80kmを4時間で帰ればよい。

普段なら間に合うはず。しかし今は

520km走ってきた身体である。

比較的、脚は大丈夫だったが、お尻、

さらには尿道が痛い。無理もない。

すでに30時間以上サドルの上に乗っている。

試験前の学生でもこんな長時間座らない。

座ると痛いのでやたらとダンシングを

多用して走る。すると今度は足首に

負荷がかかり痛み出す。そらそうだ。

一体何回転させたことだろう。

サドルもペダルも嫌がった自重を

ハンドルに乗せて走るも腕も痛み出す。

もはや引き取り手のない自重を

持っていく場所がない。

本来は腹筋や背筋があればもっと彼らの

負荷を軽減してあげられたのだろう。

しかし今のケンユーには装備されていない。

一度座ってしまえばマシなのだが

改めて座る時に激痛となるので

信号で止まって再スタートする度に

「痛ったいなぁ」と無駄に吼える。

痛みに耐えきれず平地をずっと

ダンシングで進む。足が痛すぎて座る。

吼える。この繰り返しである。

当然ペースは出ない。時間的貯金は減る。

そんな時にやってくる眠気。

痛いんやから来るなやとおもうが

痛みと眠気が手を繋いで仲良く同時に

やってきた。お前らどうなっとんねん♪

まぁそらこれまでに500km以上

走ったことなどないので身体が

悲鳴あげるのはやむを得ない。

モチベーションはむしろ高まる。

そもそもやめたところで帰るしかない。

周りの参加者も疲弊してる人も見かける。

しかしそれでこそ挑戦だ。

やはり彼らもホモサピエンス。

無敵ではない。

関ヶ原を越えて久方ぶりに見る

「滋賀県米原市」の標識。もう安心だ。

ここならメカトラがあったとしても

押してでもゴール出来る。

ここからはもはやウイニングラン♪

暗くなり出した19時34分、

前日朝5時にスタートして38時間34分で

無事に米原駅に帰還。

スタッフにおけるチェックポイントでの

画像やレシートの確認の末、

無事に600kmブルベ、認定。

シャベクライム、ヒル暗いム、

アメクライムを越え、千里浜海岸の脇を抜け

能登島に上陸して、氷見漁港を抜ける

という海と山をくぐりぬけて

ケンユーにこれまであがらなかった

「うだつ」が上がった瞬間である。

達成感この上ない。ほんといいコース♪

また次もこのコースのブルベあるなら

もう一度走りたい!

-ロードバイク